憎むなよ怒りは壊す千劫の 修行も徳もまたたきの間に(菩提行経6_1)
滴塵036
本文
要点
怒りは全てを壊す力があり、長年の修行や徳も一瞬で失われることを警告。 現代語訳
憎しみを抱くな。怒りは千年の修行や積んだ徳を、一瞬で壊してしまう。
注釈
千劫:仏教でいう非常に長い時間、無限に近い期間の意。 解説
深掘り_嵯峨
この歌は、仏教の根本的な戒めの一つ、「怒り(瞋恚、しんに)の恐ろしさ」を、引用を用いて強く戒めています。 怒りという一瞬の感情が、千劫という途方もない時間をかけて積んだ全ての功徳を一瞬で破壊してしまうという、煩悩の破壊力を強調しています。